iPhoneをリムーバブルストレージとして使うには

iPhoneはUSB接続にしてもマスストレージドライブとしては認識できない。しかし、いくつかの方法でファイルを持ち運びすることができる。

【HTTPでアップロード・ダウンロード】・・・Wi-Fi接続|AppStore
Discover[無料]
ブラウザでiPhoneのIPで8888ポートに接続すると、
PCからアップロード、iPhone上のファイルをダウンロードできるWebツールが表示される。
iPhoneでツールを起動すると利用できる。
ただし、バックグラウンド起動はできない。
AppStoreからダウンロードできる。


SSHでアップロード・ダウンロード】・・・Wi-Fi接続|JailBreak
Open SSH[無料]
JailBreakが必要。
Cydiaから検索してインストールできる。
PCからSSHで接続できるTera Termなど、SSHクライアントで接続する。
iPhone側のユーザはmobile,rootがあり、
ともにデフォルトパスワードは共通で良く知られている。
そのため、デフォルトのまま放置するのは危険であり、
すぐにパスワードを変更する必要がある。
iPhone OSはBSD Unixベースなので、SSHで接続してpasswdコマンドで自分だけが知っているパスワードに変更する。
ここまで準備ができれば、あとはWinSCPなどを使ってSCP,SFTPでファイル転送ができる。

iphone_tunnel[無料]を利用すれば、USB同期ケーブルを利用してSSH接続が可能。iTunesの機能を利用しているようだ。これがいいのは、有線接続なので通信が安定している、iPhoneはUSB給電となりバッテリ消耗を気にしなくていいということだ。localhostでの接続となる。しかし本当の目的は、Puttyなどを利用してSSHポートフォワディングを行うことで、iPhoneのコネクションを SOCKS Proxy サーバーを通した通信として実現できるので、PC上からはSOCKSを利用できるアプリ(例えばFirefox)であれば、iPhoneをPCのモデムのように利用できることだ。しかも外からはiPhoneパケット通信をしていることからパケット定額適用となるので、通信料も気にならない。
同様のコンセプトのツールで面倒な設定の必要ないNetShare[有料]というのがAppStoreにあったらしいが、今はダウンロードできないようだ。


【PCにインストールした専用ツールでアップロード・ダウンロード】・・・USB接続|PCインストール

DiskAid[無料]
PCにツールをインストールすればよく、iPhone側にはインストール不要。
iTunesの機能を利用しているようだ。
従って、USB同期ケーブルが必要。
ここで紹介してるツールの中でもっとも導入が容易なツールだ。
しかし、次に述べる方法を知ってしまうと、このツールがどうでもよくなってしまう。


iPhone上でSMB/CIFSサーバを実行しファイル共有】・・・Wi-Fi接続|JailBreak
xDrive[有料:3.99 EUR]
Cydiaよりインストールできる。(つまりJailBreak要)為替レートにより価格は変動するが、
現時点では550円だった。PayPalで購入すると、シリアルナンバーが発行される。
バックグラウンドで実行可能なのと、iPhone起動時に自動起動も可能。
PC側からはiPhoneに付与されたIPで接続すれば、iPhone側の共有フォルダが見える。
共有フォルダの追加や、各共有フォルダのRead/Write権限の変更もxDriveから可能。
technical informationをみたら、Samba file serverの1.9.18p8ベースと書いてあった。

installerを利用すれば、samba serverをiPhoneにインストールできる。
これはもちろん無料だが、smb.confの設定が必要であり、samba serverに関する知識を必要とする。
この点で言えば、xDriveはsamba serverと同じことを実現しているものの、有料だけあって便利だ。
ただし、xDriveは日本語フォルダ・ファイルが利用できないことがわかった。
samba serverは日本語OKらしい。

CIFSが便利なのは、PC上からはiPhone上のフォルダ、ファイルをPCのものと同様に扱えることだ。
ファイル転送なしにiPhone上のファイルを開くことができる。
つまりNAS的な利用ができるということだ。
このことから先に述べたツールよりも圧倒的に便利だ。
もし、PC側に無線LANが内臓されていなくても、USBタイプの小さい無線LANアダプタがあるので、
これと一緒に持ち歩けば、USBドライブを持ち歩くのと大した差が無い。