捏造(?)棒グラフの問題点

ずいぶん騒がれているようですが*1、頻繁に見られる問題点は、

  • 縦軸の値がほとんど同程度の値であるにもかかわらず、省略波線にして縦軸を伸ばしてある。

ということではないでしょうか。
比較するには基準が必要であるにもかかわらず、途中省略されてしまっているため、比較できません。
(→本来、棒グラフって、棒の長さを比較するものじゃないのでしょうか?)
そして、危惧されているのは、省略された状態で縦軸を伸縮することにより、
事実が歪曲されてしまうということだと思います。

しかし、縦軸を全て省略することは全くダメかというと、そうでもないと思います。それが許されるのは、比較する値の一部が他の値に比べて極端に異なり、縦軸を省略して拡大されなければ小さい方の値がわからないという場合だと思います。

一方、見せたい棒だけ値を示して、その他の棒については値がわからないようにするというのは、表現方法としてかなりひどいです。*2


以上をまとめると、

  1. 原則、縦軸を途中省略しない。(波線省略でなく、表示するスペースに全て収める)
  2. 比較する棒の値が極端に異なり、値の小さい棒が見えなくなる場合は縦軸の省略は可能。
  3. 示した棒全てにおいて、示している値がわかるようにする。(見せたい棒だけ値を示して、その他の棒については値がわからないようにすることは、グラフが示す事実を歪曲できてしまうことになる。)


問題視されているグラフの表現方法は、グラフをよく扱う人にとっては、よくあるインチキテクニックだという印象を持たれると思います。実測した値が予測していたほどの変化を示さない場合に、縦軸の最小値を大きくして、縦軸を伸ばすことであたかも大きく変化しているように見せるというものです。

棒グラフとは縦軸で値をみて、棒の長さを比較して変化の度合いをみるものだということを忘れないように、そして間違った表現で判断を誤らないよう、グラフをよく扱う自分自身の問題としても気をつけていきたいです。